「珪藻土」で快適な空間を手に入れよう!
最近、リノベーション業界で注目されている素材があります。それは、「珪藻土(けいそうど)」と呼ばれる天然素材です。珪藻土は、その吸湿性や吸臭性、そしてなめらかな美しさから、多くの人々に愛されています。今回は、珪藻土の特徴やメリット・デメリットについて探りながら、リノベーションにおける活用方法を紹介していきます。
目次
1.珪藻土とは?
2.珪藻土を取り入れるメリットとは?
3.珪藻土のデメリットと注意点
4.珪藻土を使用した事例
5.まとめ
珪藻土とは?
「珪藻土」とは、海や湖の底に長年にわたって堆積し、化石化した植物性プランクトンの産物です。約800万年の歳月を経て、世界各地で採掘され、古くから人々の生活に欠かせない素材として使用されてきました。食品や農業、そして最近では化粧品のファンデーションなどにも利用され、その多様な用途が人々の生活に深く根付いています。
珪藻土は世界各地で採掘されており、日本では特に「メソポア珪藻土」として知られる素材が北海道の稚内で採掘されています。この地域で採れる珪藻土は、品質が非常に高く、日本で最も優れた原料とされています。
珪藻土のメリットとは?
- 調湿性があり室内環境が快適になる
- 消臭効果によりタバコや調理後の匂いなどを和らげる
- 火に強く火事が発生したときに火のまわりが遅くなる
- 遮音性があり静かな空間を得られる
- 天然素材なのでシックハウス症候群の予防になる
中でも驚きの効果は調湿効果です!人間にとっても、建物にとっても快適な湿度は「40~70%」であることは有名な話ですが、この快適な湿度の範囲を保ってくれるのが珪藻土なのです。
湿度が70%を超えると、カビやダニが増殖し、人間の健康に悪影響を及ぼすだけでなく、建物の寿命も縮めてしまいます。一方、湿度が40%以下になると肌が乾燥し始め、湿度が20%以下になるとインフルエンザウイルスの増殖が促進されるという実験結果もあります。
珪藻土は、壁や天井全体に使わなくても、「天井だけ」や「壁だけ」に使用するだけでも効果を発揮します。特に、長時間を過ごすリビング・ダイニングや寝室、湿気のこもりやすい脱衣室などに取り入れるのもよろしいかと思います。
自然の力で住環境を省エネ化し、身体も健やかに保つことができるのは、とても嬉しいですよね。
珪藻土のデメリットとは?
- コストが割高
- 地震に弱くヒビが入りやすい
- 液体汚れが落ちにくい
- カビが生えたら塗り直しが必要
- 職人によって仕上がりが変わる
珪藻土は、一般に使われるビニールクロスの約2~3倍程度、費用がかかるため、決して安いとは言えません…。ただ、耐用年数としては、ビニールクロスが10~15年であるのに対して、珪藻土は20~30年持つと言われておりますので、長い目で考えるとコストパウォーマンスも良さそうです。
珪藻土による仕上げは、左官職人の手作業で行います。
珪藻土の塗り目模様は複数のパターンがあり、お好みのものを選ぶことができますが、手作業のため「見本と完全に同じ」仕上がりにはなりません。また、お部屋ごとに微妙な塗り目の違いがあることもあります。(見本と完全に同じ仕上がりが言い方は、ビニールクロスをおすすめします。)職人の塗り方やその時の気候によっても、微妙な違いが出てくるのが珪藻土の良さでもあります。そのため、それを味わいとして楽しんでいただける方には、珪藻土をおすすめします!
最近では、コスト面を抑えるためだけではなく、思い出作りとして自分たちで珪藻土を仕上げる方も増えてきてます。自分たちで塗ることで、ちょっと失敗したところも、思い出の一つとして愛しい場所になりそうですよね。
まとめ
珪藻土はその吸湿性や脱臭効果、自然素材であることから、リノベーションにおいて優れた素材として注目されています。ただ、コスト面やメンテナンス方法の注意点が必要になりますので、リノベーションを検討する際には、これらのメリットとデメリットを十分に考慮して、最適な素材選びをしてみてください!