Details

間取り

2LDK
専有面積

100㎡

種類

フルリノベーション
建築地

神奈川県　鎌倉

自然と共に、猫と共に

鎌倉の静かな住宅地に佇む、1972年竣工のマンション。
緑に囲まれ、窓の向こうには四季折々に表情を変える桜の木が見える、そんな贅沢なロケーションです。

今回のリノベーションでは、元々4LDKだった間取りを広々とした2LDKへ変更。
リビングは壁を取り払い、大きなワンフロア空間へ。窓際には造作のワークデスクを設置し、仕事や読書をしながら桜を楽しめる特等席が生まれました。

お施主様は猫と暮らしているため、室内にはキャットウォークを設け、床材には猫の足に優しい柔らかな檜を採用。歩くたびにほんのり香る檜が、住まい全体に温もりを与えます。

築50年の住まいが、自然と調和し、猫も人も心地よく暮らせる空間へと生まれ変わりました。

BEFORE

1972年に竣工した当時のままの間取りと内装が残る4LDKの住まい。各部屋が細かく区切られ、光や風が届きにくい空間になっていました。床や壁には経年による劣化が見られ、フローリングは硬く、ペットにとっては少し歩きづらい素材。また、窓からは桜の木が望めるものの、視線が抜ける場所が限られ、自然の景色を十分に活かしきれていませんでした。

PLAN

BEFORE

AFTER

4LDKから2LDKへ間取りを再構成し、細かく仕切られていた部屋をひとつの大きなリビング空間へと統合。リビング・ダイニング・キッチンをL字型に配置し、家族の気配を感じながら過ごせる開放的なレイアウトになりました。窓際には造作のワークデスクを設置し、仕事や趣味の時間を桜の眺めと共に楽しめる特等席に。キッチンは対面式とし、ダイニングとの距離を短くすることで家事動線を大幅に改善。各個室は収納を充実させつつ、リビングとの距離感を保ち、プライベート空間と共有空間のバランスを両立しています。

AFTER

お施主様の愛猫のために、壁の一部にネコ専用の通路を設け、室内を自由に行き来できる工夫をプラス。キッチンは腰壁にアクセントカラーを採用し、空間の表情を引き締めながらデザイン性を高めています。さらに、腰壁にはカウンターを設置し、配膳や作業台としても活用できる多機能スペースに。窓際には造作のワークデスクを配置し、桜の眺めと共に過ごせる特等席を実現。収納を確保しながら、動線と視線の抜けを意識した快適な住まいへと生まれ変わりました。

柔らかい無垢檜フローリング

素足に心地よい柔らかさと、ほのかに香る木のぬくもり。檜の無垢フローリングは、猫の足腰にやさしく、日々の暮らしをやわらかく支えてくれます。表面は適度に柔らかいため、猫が走ったり爪を立てたりしても、その跡は“キズ”ではなく、暮らしの歴史として刻まれます。時間とともに色味が深まり、引っかき跡さえも経年変化の味わいとなる── そんな素材ならではの魅力が、猫と暮らす住まいにぴったりです。

空間の邪魔をしないキャットウォーク

部屋の開放感を損なわず、猫のための動線を確保する──。今回のキャットウォークは、壁面に沿わせることで圧迫感を抑え、室内の景観に自然に溶け込むよう設計しました。高さや幅は猫が安全に移動できる寸法にこだわりつつ、デザインは極力シンプルに。人にとってはさりげない存在でも、猫にとっては部屋を自由に駆け巡るための大切な通り道です。

変化をもたらすアクセントクロス

一面だけ色や柄を変えるアクセントクロスは、空間に表情と奥行きをもたらします。シンプルな内装にほどよい変化を加えることで、部屋全体が引き締まり、印象がぐっと豊かに。家具や小物を引き立てる背景にもなり、暮らしのスタイルに合わせたコーディネートが可能です。施工範囲が限られるため気軽に取り入れられ、将来的な模様替えや張り替えも容易。デザイン性と実用性を兼ね備えた、空間演出のスパイスです。